腐食抑制酸性脱脂剤

#FCZ-15

#FCZ-15は、鉄酸化物の除去に加えインヒビターが金属鉄表面に選択的に吸着することにより、金属鉄との反応で発生する水素を最小限に抑えることを特徴とする腐食抑制酸性脱脂剤です。

一般に、鉄鋼表面のミルスケールや赤さびなどの鉄酸化物を除去するには、塩酸などの鉱酸が使われています(反応1)。
しかし、酸化物が除去された表面では、金属鉄が直接鉱酸と反応するため水素発生を伴います(反応2)。
この水素が鉄鋼内に吸蔵され水素脆性破壊を起こす原因であり課題となっております。

Fe2O3 + 6HCl → 2FeCl3 + 3H2O(鉄さびの溶解反応)・・・・・反応1
Fe + 2HCl → FeCl2 + H2(鉄鋼の溶解反応)・・・・・・・・・反応2

3.6%塩酸(HCℓ)に #FCZ-15を1%添加し、試験片のバネ(φ1mm)を5秒間浸漬した後ニッケルめっきを行った結果、図1に示すように、脱脂・錆除去効果は良好で、引張試験を行ってもめっき剥離は起こらなかった。

さらに、#FCZ-15の水素発生抑制効果を確認するために、6%塩酸(HCℓ)に1%加えて脱脂・酸化物除去を行い、水素ガス発生量を調べた。同時に他社品についても比較した結果、気泡発生量は極めて少ないことが分かる。(図-2)

#FCZ-15は、均一な脱脂・酸化物除去に加えて、水素発生の抑制による水素脆性破壊の防止効果、また優れた浸透性により微細な部品の浮上を防ぐ等、部品性能を充分に引き出すことが出来る鉄用腐食抑制酸性脱脂剤です。



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