■■■ 洗浄性・液温・補給について ■■■ |
■ ルーブライト製品を最適に運用して頂くには、洗浄性の概念と管理徹底が必要です。 洗浄性は@乳化剤(以下、界面活性剤とする)の濃度 A使用液の温度 B新液の補給と大きく関係しており、これらの関連を把握していただくことが性能安定性につながるものと考えております。
1. 洗浄性について
水溶性潤滑剤の洗浄性は、油剤の構成成分の界面活性剤により発揮される性能であり、副次的には界面活性剤のみならず、基油成分が主要な役割をはたすことがあります。
洗浄性の低下とは、洗浄に必要な界面活性剤が極端に消耗することや、基油系の組成と金属石鹸と摩耗銅分が急増し、巨大液滴として集合し、スラッジと呼ばれる固まりが機械やダイスに付着する現象のことを言います。
これらスラッジを分散するには、最低限、新油補給が必要であり、スラッジの増加を伴う場合やスラッジ成分の極性により、界面活性剤系分散添加剤が臨界量必要となります。
洗浄性を発揮するためには、初期濃度として弊社製品の場合1.5%以上必要であり、濃度上昇によりある固有の添加量に達すると洗浄性は急上昇し、その後頭打ちとなります。すなわち、洗浄性の回復には、所定量以上の界面活性剤投下が必要ですが、所定量以上添加しても、その後は変化がありません。 また、所定量に達していない場合、洗浄性の回復が極めて乏しいことがあります。
一方で、濃度の上昇は、発泡因子の増大を意味し、泡立ちが顕著となります。 泡立ちの条件をクリアーできる場合は、洗浄性は濃度増加のより向上し、泡立ちの条件が厳しい場合は分散添加剤を用います。
洗浄性を議論する場合、主に機械内あるいはタンクシステムの装置への汚染度を指しますが、加工後の電線材上の銅粉を含む付着油分は必ずしも広い意味での洗浄の原則に従わないことがあります。
電線材料の表面上の洗浄性(清浄性)は油剤の成分により決まり、製品の種類により表面清浄性が左右されます。
2. 洗浄性と液温との関係
洗浄性は、界面活性剤の活性度により変化し、液温が低すぎる場合は、界面活性剤成分のうち石鹸成分が不活性となり、洗浄性が低下することがあります。
一般的な使用温度範囲は、10℃以上 60℃以下で、30℃前後が推奨値です。
また、一部凝固成分(酸性石鹸の生成)の析出によりスラッジが増大することがあります。
このような場合は、熱交換器の交換率をさげることにより、液温を上昇させることで洗浄性を一部回復させる対応策になります。
一方液温が高温になりますと、非イオン系界面活性剤の活性度が低下する傾向にあり、この場合は反対に熱交換器の交換率を上げることにより、液温を低下させることにより洗浄性を回復することが出来ます。 液温上昇とスラッジ増加が連動して起こる場合は、管理不十分による新液の投入が遅れているケースがあり、新液の投入が有効である場合があります。
3. 新液の補給
原液補給は管理の基本です。 水溶性の製品は界面活性剤の消耗が特性の全てを握っており、補給と消耗がバランスしている場合は問題が発生することはありませんが、急激な消耗が起こった場合や他成分の混入・変動により界面活性剤の損耗が発生します。
このような場合、消耗の程度により、新液を補給することで賄われる場合がありますが、通常新液の補給では追いつかないケースが多く、石鹸補強系の添加剤#900-UXあるいは#2600-UXを添加することで改善されます。
さらに損耗が激しい場合、#KEM-25もしくは#AD-MAを所定量調整し、投入をおこないます。
基本界面活性剤がすでに殆ど消耗しているか、もしくは失活している場合はスラッジに適合する界面活性剤添加剤を所定量調整し、場合によっては効果が出現するまで投入を継続します。